体調もほどほどに回復し、新結成チームAround 40の3名で、ベルジュエール登攀に行くことになった。嘗ての夢にラインだけにどこまで行けるかは解らないが、U2吞み屋君の一つの課題でもある「落ちないクライミング」というやつに僕も深く共感し、オンサイトを意識してがんばろうと心のどこかに秘めてのスタートだった。
ベルジュエールとはどんな意味なのか?全く解らないが、なんだか初めて聞いたときから頭の隅に残る響きでいつかは登ってみたいと思いつつ、それはナチュプロのマルチラインであることから、なかなかチャンスがなかった。
今回、新しいメンツでいきなり、ここに行けるとは思っていなかっただけに大変ラッキーだった。
数年前にある程度整備もされオールフリーでのチャレンジも可能であるこの美しいラインは、スポートライン的なものはもちろん、アルパインクライミング的要素も強く、ランナウトなスラブ、クラック、ワイドも普通に出てくる前9ピッチからなる。
結果は、僕も、楽ちゃんもU2も3本ずつリードし、全てオンサイト出来たのが素晴らしかった!僕の感想は11ノーマルの1ピッチ目より7ピッチ目のタイトなチムニーの方が死ぬ思いでした。あのピッチは不動沢愛行会のタイトチムニーを経験していなかったら登れていないだろう。プロテクションが取れないまま進む勇気とその先の確実なオブザベーションはやはりいろいろな経験の蓄積にかかっている気がしました。
夕日の中ピークに立った、あの景色は忘れられないものになりそうだ。
クライミングを始めてから、フリースタイルでテンションを入れずに終わるのは、僕にとって多分初めての経験だろう。本当に、久々に素晴らしい一日でした。