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今日は、レストですがいろいろ考える良いチャンスになりました。 あまり、自分の考えを強く主張したくはないのですが、ここに来て仲間も増えてきたし、5日のE藤Yさんのブログを読んで、共感するとともに、それは自分のことでもあると思ったことから、たまには考えをマトメ、書いて見ようかと思います。そして、最近の自分自身の行動も少し改めたいと思います。 自分はかつて山岳会に所属し、ボルダーよりフリークライミング、フリークライミングより、アルパインが自然なスタイルであり、岩を攀じるということは落ちる=死というのが根底にありました。 腰をいためたことも手伝って、山岳会をやめ、フリークライミングにのめりこんでからも、マスタースタイルにこだわって、人のムーブも見ないようにパズルを解くような気持ちで登っていました(虫になりたかったのかも?)。「グレードは勝手についてくる!」。 先輩と良くそんな話をしながら、暗くなりホールドが見えなくなるまで、誰もいない壁に必死で張り付いてました。 もちろん「プリ棒」や大勢いる場所での「長いハングドック」はありえませんでした。 せいぜい、落ちたところのムーブとホールドの確認する程度しか出来ません。ワンテン入れば次に登りたい人がロープを結び始めてしまうのが当たり前です。 プリクリップやA0は恥ずかしいこと、スタートからゴール(安定した場所またはホールド)まで自分の力であがり、終了点を作成し、ローワーダウンをする。トップロープが許されるのは鷹取山ぐらいなものでした。クライミングは体操と同じ様に月日の経過とともに進化するもの、後退させてはならないし、その行為自体がただの「危険な行為」とならぬように、日々自分を鍛えて岩場では本気のチャレンジを繰り返す、と言うスタイルが当たり前であり、暗黙の了解みたいなものがありました。 「出来ない奴は来るな!」というような視線も、もちろんありました(結構イヤなものです)。 新人の頃は、そんな視線に負けないように、一度壁に張り付いたら、手が勝手に剥がれるまで我武者羅に登ってました。もちろんムーブなんてものが存在することも知りませんでした。「キョン足」は女の子特有の内股だと思ってました。「レッドポイント」の意味合いも大分違っていた気がします。「13Aを登るためにはどうすればいいでしょう」と言う質問に、プロの方が「まず仕事をやめてください」と回答されたとこは知る人も多い話だと思います。 岩を攀じると言うのは厳しいものでした。12を登る人は神様の様でした。 上手くなろうとする厳しい先人たちによって、今は「クライミングジム」がアチコチにでき、練習することが出来るようになりました。本当にありがたいことです。僕としては、それだけで可能性が開け、人生の楽しみが増えました。 志のある方がリボルトも行い(D助さんとか。)、危険も回避されています。お店に行けば公然とプリ棒も売られています。 そして、若いクライマーはスポーティにカッコよく登り、 実力・成果ともに上げています。 この状況を僕は大変羨ましいと思ってしまいます。そうした物を購入し危険が回避できるのならば、それは本人の考えで使えば良いのではないでしょうか。 しかし、先に書いたような事を、若い人たちが知る必要は多分あるはずです。以前室内で登っている時に行き詰まって「デットクリップ」をして大きくホールしたのを見たことがあります。とてもありえない事です。大きく、手繰り落ちしている訳です。それこそ=「死・怪我」です。 かといって、若い人はプリ棒使えばいいのにと、簡単に思ってもらっては困ります。その行為自体がどんな意味のあるものなのか、フリークライミングが「フリー」と言いつつロープをつけるのと同じくらいの意味を持つ時代背景があったことを考えて欲しいです(決して否定している訳ではありません)。 外でヌンチャクが掛かっていれば何も考えず登る人もいます。リングボルト・RCC・ハンガー(オールアンカー、カットアンカー、8o、10o、12o、材質もいろいろ)・ケミカル(鋳物・ステンレス)とランナーもいろいろあります。終了点もいろいろです。そんなことも若い人たちは勉強すべきだと感じます。 40才手前の爺の戯言と思われそうですが、いままで岩場でのマナーが程ほどにあり、事故がこれだけ少なく済んでいるのは厳しい先人たちのお陰です。 グレードについても、そうでしょう。岩は自然のものなので、開拓後に崩壊する場合もあります。奥多摩周辺のチャートや石灰岩はそんな傾向があります。グレーディング後に、ラインから少し外れた場所が崩壊した場合は、限定になってしまう事もあるでしょう。(ライン上であればグレードが変わるかも)叉、面白く登るための限定もあるでしょう。リボルトによって限定が強く掛かってしまう場合もあります。 全体が厳しいグレーディングとなっているエリアもあります(まさに奥多摩がそうかも?)。そのエリアで、グレードだけ見て取り付いた人が登れないと、それこそ「ダメルート」呼ばわりする人もいます。地元だけに大変悲しい思いをすることも昔から多かったです(奥多摩ってダメ?て感じに。)。 しかし謙虚になって、開拓者はどんな気持ちで初登したかを楽しみに登れば、本当に良いルートは多いものです(まさに奥多摩!!)。 「グレーディング」(正確に越したことはありません。)は所詮目安であり、自分自身が登ってつければいいものだと思います。 今回、E藤Yさんのブログを読ませていただき、共感し、グレードについては、まさに最近僕自身が取り着かれ気味になっていた気がします。今回ここで考えをマトメ、初心に戻れた気がします。けして登ることを仕事にしないでクリアできる様に一生懸命遊ばないと意味がないと本当に思います。 今回、ナガナガと書いてしまった事はかつての自分の話が大半であり、こういうものだ!と決め付け、主張しているものではありません。苦情やストレスに弱い生き物なので、読んで反感を持った方は、くれぐれも御容赦、御理解下さい。悪しからず。 写真は、2年ぶりくらい?にそそられて買ってしまった「ロクスノ」です。決め手はYノ偉さんの記事と「最難」「強くなるための…」の3点でした。(クリス・シャーマ凄い!映像が早くみたいですね。) |